大阪弁という親近感【書評】夢をかなえるゾウ

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「探さなきゃ見つからない、自分のメガネ。」

聞いたことあるでしょうか?ビジョンメガネの過去のCMの一説です。

これはまったくその通りで、メガネにおいてレンズはもちろん大切です。それだけではなく頭の形も十人十色な訳で、自分の顔にフィットするか否かもメガネ選びにおいては重要視される点ですし、毎日かけるものだからこそデザインにもこだわりたい。いろーんな要素が組合わさって自分に最適の1つができあがるメガネ。ただただ手をこまねいているだけでは、自分のメガネは向こうからやってきてはくれません。探さなきゃ見つからない。えらそうなこと言っていますが、ちなみにぼくは裸眼です。

ガネーシャの教え

ってのは置いといて、人は誰しも成功したいものかはわかりませんが、少なくとも「ぼく、人生失敗したいねん」と言う方はいないでしょう。だからこそ本を読み、自己を啓発したりするわけですが結局変わらずじまい。
■”意識を変えよう”は逃げ
「『楽』やからや。その場で『今日から変わるんだ』て決めて、めっちゃ頑張ってる未来の自分を想像するの楽やろ。だってそんときは想像しとるだけで、実際にはぜんぜん頑張ってへんのやから。つまりな、意識を変えようとする、いうんは、言い方変えたら『逃げ』やねん」
自己啓発本の類いを読むと、「やるぞ!」という気になってやる気に溢れ、変わるんだという気持ちにさせられます。でもそこから本当に変われるのかというとそんなかんたんなもんじゃない。
「期待は感情の借金やからなぁ」
成功を期待し「やるぞ!」と決意するも結局できずにヘコむ。それをくり返すうちに「自分には何もできないんだ」と自信がなくなり、いつしか以前思い描いていた夢まで見えなくなり、ただただ毎日を過ごす。「期待」という借金なんてしたくなくなり、自分に期待する事をやめてしまう。そんなことにはなりたくありません。この「やるぞ!→できない→へこむ」という状況を打破すべきです。
■”座ってるだけ”からの脱却
「自分は今、『座っとる』だけや。この意味、分かるか?確かに自分はこうやってワシの話を聞いとる。でもな、今、自分は何かを学んで、知識を吸収して、成長しとる思てるかもしらんけど、本当はな、成長した気になっとるだけなんや。ええか?知識を頭に入れるだけでは人間は絶対に変われへん。人間が変われるのは、『立って、何かをした時だけ』や」
「本を読む」という行為は一種の”成長感”みたいなものを与えてくれます。読んで新たな知識を吸収し、読み終えるときには自分が一回り大きくなったような、そんな感覚に陥ります。それこそ「期待」という借金をしているのに他なりません。読むだけで満足してはいけない、立って何かをしなければ。自分のメガネは「探さなきゃ見つからない」ように、自分は「やらなきゃ変われない」んです。

「やらなきゃ何も変われない」。本書が最も強烈に訴えるメッセージです。
■「成功」は”カブトムシの感覚”にある
「小学生の時の自分思い出してみい。自分が一番力発揮できとったの、嫌々やる宿題でやったか?ちゃうやろ。カブトムシどうやって獲るとか、ドッジボールやったりゲームやったり、そういう時に脳みそフル回転やったやろ」
夢中になってできる、時間を忘れてやってしまう何か。どうせやるなら自分の力を100パーセント出し切れるような、そんな何かをやってみたいものです。出し切ってもできるとは限りませんが、100パーセントの力を出し切らないと、なにか大きなことをするチャンスをつかむ事すらできないに決まっています。というか”楽しい”と思える事をやり続ける事ができれば、たとえ大きな事ができなかったとしても楽しい事をできてるんだから幸せのような気がしますし。
■やってみなけりゃわからない
「ええか?大事なことやから繰り返し言うで。やりたいことを見つけるための方法は一つだけや。それは『体感』することや」
じゃあ楽しめることは何なのか。

こんな経験ないですか?やる前は別に楽しそうなんて思ってなかったのに、友人からの誘いとかで一度やってみたら案外おもしろくて、のめり込んじゃったなんてこと。ぼくの場合、のめり込むまでは行かないにしろ、やるまえは何のおもしろさも感じる事のできなかった、「的に向かって矢投げる事の何が楽しいんや、もっと体動かした方が楽しいやんって思ってた」ダーツですが、やってみるとすんごい楽しかったです。それまで「どうせおもんないやろ」と思ってた事が申し訳なくなるくらいに。

「塩の辛さ、砂糖の甘さは学問では理解できない。だが、なめてみればすぐわかる。」

松下幸之助さんの言葉です。さすがえぇこと言いはります。結局はやってみて”体感”しなけりゃわからないんですね。

おわりに

「夢をかなえるゾウ」は最初から最後まで、とにかくおもしろく読めた1冊でした。大阪弁ってのが親近感しかなくて、その大阪弁でまくしたてる感じがすごい好きです。この本がいーっぱい売れたってのも、いち大阪人としてなんだかうれしいです。もっと大阪弁がじゃんじゃん出てくる本が増えていけばいいのになぁなんて思います。

では、お読みいただきありがとうございました。
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