「ライフログのすすめ」3つのすごポイント【書評】ライフログのすすめ

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「すべてを記憶する」がコンセプトのEvernote。そのEvernoteライフログをとろうと試行錯誤している方は、本書「人生の「すべて」をデジタルに記録する!ライフログのすすめ」を読まない手はないでしょう。

ライフログについて、本書は示唆に富んだ一冊です。中でもぼくが最も刺激をうけた、3つの「すごい」を紹介します。

著者の徹底っぷりがすごい

なんと言っても著者のライフログのとりっぷりがすごい。ありとあらゆる書類の束はもちろんスキャンしてデジタルに保存し、血圧や心拍数などの健康ログもことごとく記録。また、"センスカム"というたばこ箱大のカメラを首からぶら下げ、レンズに写った物を自動的に撮影しておくらしいのです。周りの変化を察知してシャッターを切るセンスカムの画像を見れば、一日をありありと再現することができるでしょうね。
ぼくは基本的に、行動を記録したり、「おっ!」とか「これは!」と思ったときに写真を撮ったりメモしたりするゆるーいログのとり方しかしていないので、ここまで徹底してすべてのログをとり、それを生活に活かしていく生き方には驚きました。

"人生のとらえ方を変えてくれる"なんてすごい

日々生活している中で、すべての刺激は脳みそに「記憶」という形で保存され、そのほとんどが忘れられていきます。
普段は忘れてしまうようなことまで記録する。そこにライフログをとる意義はありますが、それだけではありません。憶えている記憶も、実はあいまいなものであったりするんです。
あとでアクセスしやすくするには、記憶を使用するたびに、新たな記憶として再保存する必要がある。つまり、何かについての記憶は、それについての最後の記憶にすぎない。犯罪の目撃者が自分で目撃したことではなく、新聞で読んだ内容を証言するのはこのためである。
そう、知らず知らずのうちに記憶はどんどん書き換えられていくんです。書き換えられていることを自分は自覚していません。書き換えられたあとの記憶こそが本当の記憶として認識されてしまいます。
そんなときにライフログがあれば、書き換えられた記憶をもとに戻すことができます。このことは良い面も悪い面も考えられますが、移ろいやすい「記憶」と確固たる「記録」。ライフログをとり、「記録」をしっかりと残すことは、頭で記憶することとはまた違った役割を果たしてくれます。

著者の考え方がすごい

この著者の感覚というか、考え方というか、それがすごく極端でおもしろい。
ペーパーレスになることが一番効率的だとはっきり言い張っていますし、物については写真を撮ってデジタルに保存しておき、実物の方は捨ててしまうとのこと。極端なのが、たくさん思い出の詰まった祖母の形見の毛布でさえ、写真に撮ってデジタルで保存しておくだけで満足だというのです。もしそれに包まれたくなったら原寸大まで写真を拡大すればいいと。ここまでデジタルへの記録を徹底しているのは、ちょっと度を越してるなぁすごいなぁと感じます。

おわりに

著者のようにライフログをとっていけるか、というとまず無理でしょう。ライフログをとることは楽しく、ふとしたときに役に立つものなのですが、それとライフログをとる手間とを天秤にかけるとどうしても手間が勝ってしまい、著者の様にまで徹底しようとは思えません。でも「すべてを記録する」まではいかないにしても、もっと色々なログをとってみないことには見えてこないことは沢山あるだろうなと感じました。自分が「めんどくさいなぁ」と感じない程度に、これからもライフログをとっていこうと思います。
では、お読みいただきありがとうございました。

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