思い込みのブレーキなんて外してやれ!【書評】脳を活性化する速読メソッド

カメラロール-13
野球をまったくしたことない、バットの振り方もちゃんとわからないような人が、時速150kmのボールをいとも簡単にバットに当てることができるでしょうか。しかもしっかりとスイングをして。
ぼくは以前その様子をテレビでこの目でみました。

速読の可能性

関西の怪物番組、「探偵ナイトスクープ」の小ネタ集で本書の著者、呉真由美さんがバッティングセンターで時速150kmの速球をカキンと打っていたんです。何度も何度も。そしてその小ネタの依頼は、著者の速読講習の生徒さんが「私が習っている速読の先生は、速読のおかげで時速150kmの球を打つことが出来ます。確かめてみてください。」というものでした。

速読は脳の状態

本書の題名には、「脳を活性化する」という言葉があります。これこそ速読を表すキーワード。著者は本書内で、何度も「速読は脳の状態です」と述べています。
「速く読めない」「速く読んではけない」「脳はそんなに速く処理できないはずだ」という「思い込みのブレーキ」を、「私は速く読めるんだ」「速く読んで構わないんだ」「脳は高速回転・高速処理できるんだ」と「思う」「信じる」ことによって外していくのです。
脳に対する「思い込みのブレーキ」を外し、脳本来のパフォーマンスを引き出した状態、それこそが「速読」には必要だ、ということです。また、速読のトレーニングを積むことでそのブレーキを外し、脳本来のパフーマンスを引き出すことができるらしいのです。
■そんなに多くのトレーニングは必要ない
で、速読を身につけるためにはどんな特別なトレーニングが必要なんだ、と意気込んで読んでみると、これが案外なんてことない、特別さなんて感じれられないトレーニングが6つほど紹介されています。著者ご自身も「速読トレーニングはちっとも難しくない!」とおっしゃっている通り。でもその6つこそ大切。

負荷を加えて、鍛える

速読トレーニングでは、一行ずつサッ、サッ、サッとただ眼球を動かしたり、縦書きの本であれば一ページ一秒程度で横方向にサーッと見たり、「文字を読まずに速く見る」という練習を行います。普段ゆっくりと情報を処理している脳。その脳が本気を出さなければ処理しきれない程の情報をどわぁーっと放り込むことによって脳に必死こいて処理させて負荷をかけ、活性化していくために行います。そうして活性化された脳は本来のパフォーマンスを発揮できるようになり、処理能力がグンと上がることで、速読に限らず仕事や趣味やあらゆる分野でその力を発揮できるようになる、と著者は言います。
疑問に思うのが、そんなに都合良く脳を活性化することができるのかな、ということ。脳に情報を放り込んで負荷をかけ、活性化させていく。。。
■あ、筋トレと一緒か
負荷をかけ、鍛える。これはまさに筋トレと同じようなことをしてるんですね。筋肉を鍛えるためには、重量を持ち上げたりすることによって負荷をかけます。筋肉を鍛えるときの”重量”と同じ役割をするのが、脳を鍛えるときの”情報量”ってわけなのかな、と。
■筋トレと同様、継続が大事
「短期集中」ではなく、「長期のんびり反復練習」が大事
一日二日筋トレを行えば筋肉がついてムッキムキになるかといえば、そんな簡単な話はありません。速読トレーニングでも同じなのは当たり前。じっくりじんわり、トレーニングを継続させていくこと。そうして少しずつ脳を鍛えていくことだ、速読への一番の近道なのでしょう。

思い込みのブレーキは外せる!と信じてみることにする

本書の内容は、速読のトレーニングに関する部分は全体の四分の一ほどで、あとは速読に対する読者のモチベーションを上げてくれたり、思い込みのブレーキを外すことに費やしています。確かに「脳を活性化する」「脳本来のパフーマンスを引き出す」と言われてもにわかには信じ難いものがあります。でも、そんな風に自分の脳を信じてやらず、自分で自分の限界を勝手に決めるのはとりあえずやめよう。ブレーキ、はずしてやろうではないか、と思いました。自分の脳なのだから自分が信じてやらなくてどうする精神で、じっくりじんわり継続的に速読トレーニングを積み、脳を活性化し、脳本来のパフーマンスを引き出し、脳の処理能力を伸ばしてやろうと思います。
では、お読みいただきありがとうございました。

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