いつまでも気をつけていたいこと〜「プロ研修講師の教える技術」を読んで学んだこと〜

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授業。ぼくが一番こだわりたいと思っている、一生をかけて習熟させていきたいものです。年を経て、経験を積むにつれて忘れていってしまいそうなことを本書には教えていただきました。まだぼくは教壇に立ち始めて間もないですが、まだ未熟だからこそはっきり見えるものもあるはず。そんな、今の自分がずっと忘れてはいけないと感じていることを心に刻み込んでおきたいと思います。

”熱意がない”はとんでもない

熱意はとても大切な要素です。
「こんな講師からは教わりたくない、という講師とは、どんな人でしょう」

答えはいろいろでしたが、一番多かったのは「熱意のない講師」でした。
多くの人を前にする講師や教師にとって、それは必要不可欠です。ましてや相手にするのは成長を望んでいる人や、可能性に満ちた生徒たち。そんな方々を前に、熱意なく授業するのであれば、しない方がましです。
関わる相手に「やる気のなさ」というウイルスを蔓延させる元凶になってしまう。
”成長”の意欲を奪ってしまうのは、やってはならない行為です。授業者のやる気のなさは受講者のやる気を奪い、どんどんそれが蔓延していく。「やる気のなさ」は、ほんとうにたちの悪いウイルスと化します。そんなことはあってはなりません。

それを防ぐためのちょっとした対策としては、自分の興味から授業を構成してみる。
自分だったらそのテーマのどこに興味を持つのか、それを探し出すことから始めるといいのです。
進度や範囲など教えることの制限がある中でそれをやるのはなかなか難しいものかもしれませんが、熱意のない授業を行うより少々遅れてしまう方がよっぽどましです。何かを教えるということは、少なからず自分の中にはその分野に対する興味があるはずです。その、自分の中の興味という熱意の”もと”を大切にし、少しずつ育てていくこと。興味をベースに授業をすれば、自分自身が楽しむことができます。その楽しんでいる気持ちは、学ぶ者に必ず伝わる。そういう意識を大切にしていきたいものです。

一緒になって、ともに考える

先生づらするのではなく、めだかの学校のように一緒に泳ぐ、ともに考えるというスタンスで教えていかなければならないんだよ。
生徒と年齢がまだ近いときは目線が近く、先生づらせずに接することはあまり意識せずとも自然にそうなるように思います。なので若いうちは、先生と生徒の境界線を大切にするべき。ですが、年を経て年齢が高くなるにつれて生徒との境界線がどんどん太くなり、今度は逆に先生づらせずにいるのは難しくなっていくように思います。それに「経験」というものが相まってさらに隔たりができていってしまうと、それはとてもまずい。年齢を重ねたとしても、どうか先生づらせずにいたいと思っています。

”先生づら”にならないためにできる心がけとしてどんなことができるのか。それにはやはり謙虚な姿勢というのが大切になってきます。
教えるということは、相手の人生の時間を奪っている、とても罪深い行為
この一言にはグッときました。そうです、相手の貴重な時間を奪っている行為なんです。教わる者からしてみると、自分の時間を奪うにも関わらずさらに先生づらされたらたまったもんじゃありません。教える者は、そういう意識をもつことが必要だと思います。「教えるということは、相手の人生の時間を奪っている、とても罪深い行為」。心に刻んでおきたい言葉です。

環境のもつ力

学びの環境を整えることの大切さも本書から学ぶことができました。

授業の構成やうまさには、授業を行う環境は直接関係してくることはありません。が、そんな細かいことこそ実は授業に大きな影響を与えてきます。自分の鈍感さがあらわになる部分だそうです。
素人ほど、甘く考えています。自分の鈍感さに気づかない。こういうところで、プロと素人の差が生まれます。会場や備品類には最新の注意を払いましょう。
室内の温度や明るさ、情報機器を使うのであればその挙動を確かめておくことなど、準備の段階から環境には十二分に気をつけておかないととんでもないことになります。
環境は、人を無言で誘導している
意図を持ちながらも、それを表面に出して押しつけることなく、相手を誘導する。それが、環境の力です。
環境の力はすごく、それは知らず知らずの間に働いてくる。注意しておかないと気づくことすらできないほど。だからこそ学びの環境を整えることはすごく大切になってきますし、自分の鈍感さを一番あらわにしてしまう部分なのでしょう。まだまだ未熟なうちは、気をつけ過ぎだと思うほどの注意を払う必要があるのかもしれません。

おわりに

今ぼくは、毎日楽しく生徒たちと関わることができています。日々教える楽しさを味わうことができているので、とても幸せなのかもしれません。教えているというか、一緒になって楽しんでいる感覚です。でも、今はそう感じることができていますが、年を重ねて経験を積めば積むほど”おごり”がでてくるのではないか、という怖さを感じています。基本的にすぐ調子に乗ってしまうタイプなので。熱意を持って、一緒になって考える姿勢を忘れず、環境に対する注意も十二分にはらいながらこれからも技術や考えを磨いていきたいなと思います。

では、お読みいただきありがとうございました。

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