脳みそを補助しよう!〜「アナタはなぜチェックリストを使わないのか?」を読んで学んだこと〜

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脳みそは、ある部分では信頼できる(信頼したい)が、ある部分では信頼できないなぁといつも思います。信頼できる(信頼したい)部分は、「考える」能力があるところ。思考は信頼していきたいです。「考える」とい力は、脳みその類い稀なる能力で、脳が脳たる証だと思うのです。逆に、信頼できない部分は「記憶しておく」ということ。誰もが「脳に記憶しておかせるなんて頼りないよ」と感じているわけではないと思いますが、ぼくはほんとにこと”記憶”に関しては自分の脳みそを全然信頼していません。だからメモを積極的にとりますし、リマインダを設定して思い出させる仕組みを躍起になって整えています。iPhoneを手に入れてから、大事なことはiPhoneが思い出させてくれるので、だいぶと安心感が増しました。今では、ちょっとiPhoneがなかったとき自分はどうやって過ごしていたのかわからないくらい、思い出せないくらいに自分の生活を補助してもらっています。よくまぁそれまで脳みそで管理してたもんだ、と感心するくらいに。

頭脳にすべては任せきれない

ぼくの生活は「やらなきゃいけないことにまみれている」訳ではありませんが、この有様です。じゃあもっと手順が複雑で、一つの抜け落ちが命を失うことにつながるような場面で、「やらなきゃいけないこと」を自分の頭脳に任せることは賢明な判断と言えるでしょうか?
パイロット一人の頭脳に全てを任せきれないほど、飛行機は進歩してしまった。 
本書「アナタはなぜチェックリストを使わないのか?」では、医療や飛行機の操縦、建設業界などの、進歩と引き換えに複雑化しすぎ、人間の頭脳にはちょっと任せきれなくなってきている様子が書かれています。
一人の少女を救うために、何十人ものスタッフが数千もの手順を正しく遂行する必要がある。空気が入らないように人工心肺のチューブを繋ぐ。チューブ、切開された胸、頭蓋骨内の髄液、それぞれ無菌状態を保つ。数々の繊細な機械を正常に動作させ続ける。一つ一つの手順がどれも難しい。その上、それらが正しい順序で一つも欠かさずに行われるように指揮しつつ、不測の事態には柔軟に対応しなければいけない。
それをぜーんぶ脳みそに任せてしまうのは、もう難しくなってきているのではないか。

自分の数少ない「やるべきこと」を脳みそで管理しきれていないぼくからすると、本書で挙げられる例たちはちょっと想像を絶することばかりですが、脳にすべてを任せきれない、という筆者の主張はその分すごく同意できます。そこで有益な効果を上げる簡単な方法というのが、チェックリストを作る、ということなわけです。

頼りない、信頼しがたい脳

一人の人間が複雑な仕事をこなすにあたって、筆者は二つの問題点を挙げています。
一つ目は人間の記憶力と注意力の危うさだ。我々は切羽詰まった状況では当たり前のことをも忘れてしまいがちだ。
記憶力は本当に危ういです。だって忘れていることすら忘れていたりするんですもの。そんな経験ないでしょうか?あることを記憶しておき、それを適切なタイミングで思い出すのはなかなか難しく、ましてや不測の事態に陥ってパニックになっている時などもう目も当てられません。とても緊張する場面で、言うべきことがすべて吹っ飛んでしまった、という経験をお持ちの方も多いはず。
二つめは手順を省く疑惑だ。すべての手順が毎回必要とは限らない。
脳は、基本面倒くさいことはきらいです。”毎回必要でない”ことを毎回漏らさず気にかけるのは難しく、やがてそれをとばしてしまうようになるでしょう。そして、とばしたことによってそのうち何か問題が起こり、ようやくとばすべきではないことに気づきます。でも、それではちょっと遅い。とばさない工夫をするべきですよね。

手順の決まっていることについてはチェックリストを作成し、わざわざ記憶しておかなくてもいいようにしておく。脳の信頼できない、頼りない部分はちょっと補助してやれば良いだけのこと。その役目がチェックリストであったり、はたまたToDoリストであったりするのでしょう。

良いチェックリストの条件

「チェックリストってやっぱ良いなと思った3メリット」と考えたあたりからチェックリストの有用性は感じており、ぼくもいくつかのチェックリストを作成してそれを活用しているのですが、忙しくてやることがドサーッとあるとき、ついついチェックリストを見ずにやることをこなしがちになります。でもそれでは、良いチェックリストとは言えないようです。
良いチェックリストは明確だ。効率的で、的確で、どんなに厳しい状況でも簡単に使える。全てを説明しようとせず、重要な手順だけを忘れないようにさせる。なにより実用的であることが良いチェックリストの条件だ。
どんな状況でも簡単に使えるように、サッと取り出しパッと参照できる。それが望ましいとのこと。シンプルで明確、文章は必要最低限のことしか書かれておらず、リストの数も長過ぎずに見た瞬間把握できる5〜9個程度に留める。
チェックリストを作るにあたって決めなければならないポイントがいくつかある。まず、いつチェックを行うか、つまり一時停止点をはっきりと決めないといけない。
「読むのち行動」なのか「行動のち確認」なのか、一時停止点、つまりどのタイミングで作業を一旦停止し、チェックを行うのかをはっきり決めておかなければいけない。
すばやく使えて、実用的で、用途を絞ってあるという特性こそが肝要だ。
以上の「良いチェックリストの条件」は、航空業界で用いられているチェックリストをもとに考えられているのですが、普段の生活を補助してくれるチェックリストを作成する時も、ぜひとも頭に入れておきたいことです。今あるものをもう一度見返し、この条件に見合うようにちょっと書き換えていこうと思います。

おわりに

手順がある程度決まっており、なおかつ何度もやることであればすぐにチェックリストを作成しよう、と考えています。毎日行うことでも、たまにしか行わないことでも、手順が明らかになっているだけでとても助かるもの。これからは「良いチェックリストの条件」を満たすよう、ただ手順をつらつらと挙げるだけでなく、簡単明瞭な言葉を選んだり、一時停止点をはっきりさせておくなりして、より”使える”チェックリストを増やしていこうと思います。これで”頼りない脳”のかなりの部分を補助できるのではないかなーと期待しておる次第です。

では、お読みいただきありがとうございました。

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