MfF05:”つながり”を楽しむ、一つのゲームをば

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先週は、数学では”つながり”を感じるのも楽しいよってのを書かせて頂きました。

「MF04:つながる、世界が拡がる快感 」

今回も、その”つながり”について書いていくわけですが、ちょっとしたゲームをご紹介します。

短い2つの文章を無理矢理でもいいからつなげる

これは、「とんでもなく役に立つ数学」という本の中で紹介されていて、なかなかおもしろいんじゃないかなぁと思ったゲームです。

まず準備として、短い文章をたくさん用意します。「犬がこけた」とか「トイレに駆け込んだ」とか「くるぶしが腫れてきた」とか。とにかくなんでもいいので、短い文章を紙に書いて、それらを袋の中に集めます。で、そこから紙を2枚引いて、二つの文章を無理矢理つないで文章をつくる、というゲームです。

例えば、「トイレに駆け込んだ」と「くるぶしが腫れてきた」と書かれた2つの紙を引いたとします。この2つをただ単に並べただけでは、「は?」ってなっちゃうんで、「は?」ってならないように、2つの間に文章を補ってストーリーをつくります。

「トイレに駆け込んだ。それは、我慢して我慢して我慢し尽くしたときにやっとこトイレを見つけたためで、見つけて駆け込む時のダッシュ力たるや、あのウサイン・ボルトもびっくりの瞬発力だったに違いない。ただ、駆け込んだときに勢い余って右足をぶつけてしまい、用をたして晴れ晴れした気持ちになるさなか、ぶつけた右足のくるぶしが腫れてきた。」

みたいな感じでしょうか。ちょっと調子に乗って、いや、だいぶ調子に乗って長々と書きすぎた感はありますが、違和感なく2つの文章を繋げることができたんではないでしょうか。

こんな感じのゲームです。数式は一つも出てきてはいませんが、このゲームは確かに”つなげる”という点で、数学に関係しないでもないゲームになってます。

踊り場と踊り場をつなぐ作業

先に挙げたゲームでは、二つの文章を違和感なく繋げるために、間に前後の文章のつながりを意識していくつかのストーリーを挟まなくてはいけません。ストーリーを挟むことで、「は?」となることなく、違和感なく受け入れることができるようになります。数学も同じようなもんで、二つの事実の間を補って、やっとこ理解に結びつき、「は?」となることなく、違和感なく受け入れることができるようになります。

「AであることからDがわかる」と言われて「は?」となるなら、「AであることからBがわかり、BよりCが導けて、よってCからDがわかる」という風に、BやCを補っていくこと、補っていく力がすんごく大切です。そういうことができるようになってくれば、数学をより楽しむことができるようになってきます。二つの文章の間のストーリーを考えてつくりあげるように、二つの事実の間を論理でつなぐことができるようなるんですから。

”数式を使う”だけが数学じゃない

「AであることからBがわかり、BよりCが導けて、よってCからDがわかる」という風につないでいく力こそが、数学で身につけることのできる”論理的に考える力”ってことになってきます。でもこれは、別に数学じゃなくても鍛えることができる。身につけることができる。はじめに紹介したゲームは、どっちかというと国語の分野でしょう。それでも”つなげる”練習はできますし、数学に限らず身につける方法はたくさんあります。ただ、数学はシンプルなだけで。”論理”を直接的に学ぶことができるというだけです。”数式”という厳密な一種の”言語”が、それを可能にしているのでしょう。

おわりに

でも、数式のシンプルさに嫌気がさしたら。「もう数式見るのも嫌!」ってなったら。そんときは、今回のようなゲームをして、リフレッシュしながら”つなげる”訓練をするのもいいんではないかと思います。嫌なものを「嫌やなぁ」と思ったままやり続けることほど苦痛なことはないですものね。

では、お読みいただきありがとうございました。

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