離れたところから、眺めてみよう〜「発想をカタチにする技術」を読んで学んだこと〜
20140117201621 by choiyaki
発想をカタチにするためには、何が必要でしょうか。
あったりまえですが、まずは発想すること。じゃあ、そのほかには?カタチにするためには?
なにかしらのアイデアを思いついたり、自分なりに「おもしろいと思うこと」ってのはあると思います。でも、それを実現していくとなると、難しい。
本書では、発想を考えカタチにしていくために必要なこと、必要な視点、必要な思考を教えてくれます。
まず、「衛星」をみつける
「アイデアは、既存の要素の組み合わせ」とよく言いますが、新しい組み合わせを考えることで、それがひとつのアイデアとなります。今までに誰かが提案したような組み合わせではなく、「えっ?それとこれ組み合わせちゃうの?」的なものこそが、探すべき組み合わせであると言えます。が、仕事で企画を提案しようとしているときに、求められているものに何の関係もない要素どうしでは困りますよね。
仕事内でアイデアを考えるときは、なにかしらの枠組みが与えられていることがほとんどです。そんなときに、その枠組みの中ばっかで考えちゃうと、なかなか良いアイデアってのは出てこない。そもそもスタート地点が違うのかもしれません。
会社からみて異物なものを、どう会社につなげるかってことですね。枠組みからスタートするのではなく、その枠組みから外れている部分にある「おもしろいもの」を、「枠組みに組み込むにはどうしたらいいか?」考える。そのほうが、「えっ?それとこれ組み合わせちゃうの?」的なものを考えつくことができるように思います。
たとえば、会社を大きな惑星だとすると、そこから飛び出し、まず「衛星」をみつけます。そして、惑星の周りを回る起動にのせるために、他人にわかってもらえるパイプをつくるというイメージです。
「こんなアイデアはないか」ではなく、「おもしろいものをどこかで使えないか」って発想です。そのためにも、普段から「おもしろいとおもうもの」ストックをためておくのがいいかもしれません。思いついたら即メモメモ!の精神で。
一歩ひいて考える
枠組みにとらわれないようにすることと、もう一つ大切なこと。自分にもとらわれないようにすることです。そのために、一歩自分から離れて考える、ということが大事です。
人は、好きな色は大抵一緒です。表面的にやっていると、同じことを繰り返します。違うように見えても、やっぱり同じ色を塗ってしまうんです。自分から離れて本質を探っていこうとすると、「これはなんだろう」と意識が対象物に向かうから、いつも自分ではないものに出会っていけるんです。知らず知らずの間に、”自分”にとらわれてしまうもの。それでは、新しい発想を得ることはできません。”自分”を脇へ置いといて、自分から一度離れて見てみる。「自分はこう思うのに」って気持ちをいったん抑えて、先入観を極力持たずに考えてみる。
他の人の意見やアドバイスについても、自分からいったんは離れておくってのは必要です。でないと、せっかくのアドバイスを受け入れることができず、結局は自分の考えに固執してしまったりするんですから。
「離れてみる」というのは、”自分”という枠をとりはらう一つの方法と言えます。
いろいろ「試す」
発想をカタチにする際、避けて通ることはできないのが、「試す」という過程です。カタチにしたけりゃ試すしかない。でも、何かを試してみるって、結構勇気が必要です。失敗したらどうしよう、受け入れられなかったらどうしよう。そんな悪い考えが頭をもたげることも少なくありません。でも、勇気を出さなければ、リスクをとらなければ、新しいことを生み出すことなんて、発想をカタチにしていくことなんてできません。
今、現時点で、自分が何か新しいことをしたいと思っているのであれば、自分の今までの基準よりは、リスクをとらないとだめです。試してみることができたら、カタチにできた、ってわけではありません。試してみると、それまで気づかなかった問題が新たに発生することもしばしば。困難にぶちあたることもあるでしょう。でも、そこであきらめない。
実は、問題がおこることは、ありがたいことかもしれません。
困ったときに「なんとかしよう」とするのは、本当にチャンスなんです。不思議なのですが、人間はせっぱつまったときにあきらめなければ、運が向いてくるんです。何かが降りてくるんです。これは、才能ではないんです。あきらめるか、あきらめないか。ただそれだけなんです。困難に対して、「うわぁ、また問題おこった」と考えるか、「問題を乗り越えたらよりよくなるぞ」と捉えられるかによって、その後が全然違ってきます。問題がおこることを嫌がっていては、新しいことを試すことはできません。問題は、チャンス!と考えることができれば、何度でも試してみよう、発想をカタチにしてみようと思える。
「問題は、チャンス」なのに対して、もしかしたら「成功は、足かせ」なのかもしれません。
過去の成功例は自分のエゴと化します。その成功体験が忘れられず、同じことを繰り返してしまうと未来はありません。過去の成功にとらわれてしまっては、先に進むことができません。その成功を何度も繰り返し、停滞を続けてしまう。
成功を追い求めるのではなく、変化を求める姿勢が、大切であると思います。
自分のやり方で、自分の範疇でやっていることは努力ではありません。作業です。努力とは自分を高めるためにするものです。努力するなら、色々なことに挑戦する努力をするべきです。挑戦、すなわち「試す」。新しく試して、チャレンジしたことも、何度も繰り返していれば「作業」になってしまいます。自分を変化させ、高めていくために、挑戦を続けることが、正しい努力のかたちです。
常にリスクを覚悟し、いろいろ試す。発想をカタチにしていくために、常に持ち続けていたい姿勢です。
おわりに
特に感銘をうけたのは、枠組みの中で考えるのではなく、その外にある発想を、「枠の中に収めるにはどうすればいいか?」と考える。発想の方向を変えてみるという方法。なるほどな、と思いました。人ってのは、知らず知らずの間に、枠を作ってしまいます。でもそれって、何かを考えたり、試したりするときには、邪魔になることが多い。だからこそ、少し離れて、対象を素直に、客観的に見るってことが大事なんだと思います。
すぐにできるようになることではありません。繰り返し、自分から離れてものを見てみるってことを意識していきたいなと思います。
では、お読みいただきありがとうございました。
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