しつもん力は、思考力〜「ビジネスで一番大切なしつもん」を読んで学んだこと〜


Flickr20140310053940 by choiyaki

”問い”というのは、思っている以上に、人生において重要なものであるんじゃないか。そんなことを最近考えています。

”問い”を立てる力は、何かを教える際に、学ぶ者の思考を刺激し、自分で考えてもらうために、とても重要な役割を担うこととなります。また、自分に対して”問う”際にも、そこからどう考え、行動していくかの決断に、大きな影響を与えます。

良い”問い”を立てることは、かんなり重要なことだと思うんです。

そこで、良い”問い”についての本を読みたい、と探しているときに、本書と出会いました。

いい質問(=しつもん)は、あなたが思っている以上に、あなたの思考や生き方に大きな影響を与えます。なぜなら、人は誰でも無意識のうちに、数多くの質問を自分に投げかけながら生活しており、その質問のクオリティ次第で、人生や仕事の充実度が変わっていくからです
この一文に、深い共感を覚え、読み始めることになりました。



良質の質問=「しつもん」

あいさつ質問や疑問、クイズなど、質問を6種類に分類することからはじまります。「疑問」や「クイズ」、「命令質問」、そして「尋問」。これらの質問は、自分が知りたい答えを他者に求めるもの。「利己的」な質問です。対して「しつもん(良質の質問)」と「あいさつ質問」の2種は、相手のためにおこなうものということで、「利他的」な質問です。ここが、一番の違い。

良質の質問(「しつもん」)は私たちが推奨している質問で、質問をすることによって相手が大事なことに気づくなど、「相手のためになること」を目的に行われます。
本書では、良質の質問が、ひらがな表記で「しつもん」と表現され、他の質問と区別されています。この「しつもん」をどうおこなっていけばいいのか?が、本書のテーマです。

相手が大事なことを気づけるような質問であるためには、質問されると、思わず考えだすような、そこから思考が展開するような、広がりのある”問いかけ”である必要があります。

”引き出す”ことが目的

自分が知るためではなく、相手が気づくための「しつもん」。
本書で使う「しつもん力」とは、自分が知りたいことを聞き出す力という意味ではありません。定義としては、

  • 相手の思いを引き出す力
  • 相手の行動を引き出す力
です。
「こうしなさい」と指示されるのと、「こうしたらいいのではないか?」と気づき、試してみること。どちらのほうがいい行動を引き出すことができるかは明白です。指示ではなく、”気づき”を引き出す。自分で気づくから、次の行動が生まれてくる。そんな、こちらが答えを与えるのではなく、相手から答えを”引き出す”ためにも、「しつもん」がとても重要なわけです。
相手に「しつもん」をするときは、相手の中に必ず答えがあり、相手がそれに気づくきっかけをつくるつもりで臨んでください。
あくまでも、相手が気づくきっかけづくりをする。そういうスタンスで、「しつもん」することが、一番心がけるべきこととなります。きっかけになるような、相手の思考をうながすような”問いかけ”であるべき。そういう気持ちで質問しようとすると、自然と「何に関して問い、どういう言い方、言葉のチョイスがいいか?」と、質問する側も、あらかじめどう問うべきか、深く考える必要がある、と言えます。

「しつもん力」は、「思考力」に

相手が気づくきっかけをつくるような質問をすることは、簡単なことではありません。質問する側が、はっきりと問題をとらえ、どこに注目すべきか把握し、そこに近づくためのパスを出すことが、きっかけとなることもありますし、問題を違う角度から見ることができるような問いを与えることが、きっかけになることもある。質問者自身が、考えて問いを投げかけなければいけません。

また、「しつもん力」がつけば、自分自身にしつもんをすれば、自分の考えをうながしたり、自分に対して、気づくきっかけを与えることができるようになります。良質の質問は、相手にも、自分にもとても優れた思考ツールになり得る、ということです。

気づくきっかけとなるような質問。何かを問う際には、常に心がけておきたいものです。

おわりに

視点をかえるしつもんや、WHYをHOWやWHATに変換したしつもんなど、本書では、良質の質問をするための方法がいくつも書かれており、それを気軽に取り組めるドリルを通して身につけていくような構成になっています。

良いしつもんが、良い考え生み、そして良い人生につながる。そう信じて、しつもんにはとことんこだわっていきたいものだ、と思います。

では、お読みいただきありがとうございました。




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