授業準備の各段階での、準備の進め方2毎回の授業準備

前回、「一年間の授業計画」と「各単元の、はじめから最後までの流れ」における、準備に用いる発想のツールについて書きました。

授業準備の各段階での、準備の進め方1「年間計画」と「単元計画」

今回は、単元内の、1回1回の授業は、何を使い、どのように準備しているのかについて、です。

単元内の、1回1回の授業

「一年間の授業計画」や「各単元の、はじめから最後までの流れ」は、ざっくり考えていましたが、「単元内の、1回1回の授業」は、細かい部分まで作り込んでいく必要があります。どういう問いかけをするのか、どのタイミングで演習を組み込むのか、話はどのくらいの長さにまとめるのか、などなど。60分間の授業をどのように展開していくのか、イメージできないまま授業の本番に臨むことほど恐ろしいことはありません。

この、1回1回の授業の内容を考える際に使っているのが、A4の紙です。1枚ではなく、何枚も。そして、チェックリストに沿って考えていきます。

■チェックリストを活用する

1回1回の授業では、必ず考えるべきことがいくつかあります。その授業の”ねらい”であったり、メインの問題、板書計画や、用意するプリント・教材はどうするか、どういった流れで、授業を展開していくのか、などなど。毎回必ず考えるべきことがあるのであれば、チェックリストはとても有効です。チェックリストがあれば、もれなく準備を進めていくことができますし、項目の一つ一つに集中しながら準備を進めることができるため、思考もはかどります。また、完成までのどの程度の進捗状況なのかを把握することにも役立つので、へんに「あれもせな、あわわ、これもせな」と焦ることもありません。

A4の紙を、何枚も使う

チェックリストを参照しつつ、各項目について考える際には、A4の紙を使います。たいていは、プリントミスの裏紙を使用しています。

裏紙なのでもったいないとか考える必要もなく、とにかく手を動かし、教える内容、定めるべきこと、板書の計画などなど、じゃんじゃん紙に書き出していきます。だーっとかき出すので、1回の授業の計画を立てるたびに、だいたい3〜5枚の紙が消費されます。

書き出した内容を見ながら、俯瞰しつつ、流れを定め、やじるしを書き足し、順番を整えていきます。強調したいことがあれば丸でぐるぐる囲んでおいたり、色ペンを使って書き込んだりします。なぜこんなにラフに書いていくのかというと、書き出した数枚のA4の紙を見ながら、最終的には1枚の紙にぎゅーっとまとめるからです。

これが、ノートではなく、ペラペラの紙を使う理由です。この手を動かす作業をノートでやってしまうと、1回の授業について考えたことが、何ページにもわたり書き出されることになってしまいます。こうなると、最終的に一枚にまとめる際に、ペラペラめくりながら見返さないといけなようになり、とっても煩わしくなっちゃいます。紙に書いておけば、それらを並べておけば、今まで書き付けた事柄たちを見ながら、俯瞰しながら、1枚へとまとめていくことができます。

最後に、A4サイズ1枚に凝縮する

そして最後に、前述した通り、書き出した事柄たちを、ぎゅーっと一枚のA4の紙にまとめていきます。ぼくは、このときにA5サイズのノートを使っています。見開き1ページにまとめることを目的としているため、一回の授業の内容が何ページにもわたることがありません。見開き1ページで、完結。

その際、チェックリストを元にいろいろと書き出したA4の紙たちを並べ、眺めながら見開き1ページへと内容を凝縮していきます。その授業での目標やねらい、板書の計画、授業での流れや、問いかけ、注意する点、扱う内容などを書いていきます。それまでに必要な要素はすべてA4の紙たちに書き出しているので、比較的スムーズに進めることができます。まとめる中でまた新たな思いつきを採用することもあり、自分の中ではとても大切なプロセスとなっています。
授業の計画は、今後の自分の授業力を上げていくためにも後々まで残しておきます。残すのはもちろん、凝縮されたA4サイズの見開き1ページの部分。それまでに書き出した紙たちは、基本的にはもう捨ててしまうのですが、凝縮見開き1ページだけはEvernoteへもスキャンしておき、後生大事にとっておきます。ノートに書き加えていくので、授業計画をペラペラと見返せば、1回1回の授業内容を簡単に振り返ることができ、とても便利です。

おわりに

  • チェックリストを使い、もれなく準備を進める
  • チェックリストをもとに授業内容を考え、とにかく手を動かして、A4の裏紙に書き出していく
  • A4の裏紙数枚に書き出された事柄を眺めながら、A5サイズの見開き1ページに授業内容をまとめていく

はじめは手を動かし、書き出し、あとからぎゅーっと凝縮する。これを、毎回の授業準備で行っていますし、授業に限らず、ぼくの知的生産の基本スタンスとなっています。もちろんこのブログを書く際も。

だぁーっと書き出し、ぎゅーっと凝縮する。多少時間はかかりますが、いきなり完成形を目指すよりも、豊かなものができあがるのでは、と信じているので、これからもこのスタンスを続けていきたいと思います。

では、お読みいただきありがとうございました。