年末大そうじでは、「整理」と「整頓」区別して考えてみよう

整理整頓がすごく苦手でした。特に自分の部屋など、えらいことになっていました。まさに「足の踏み場もない」状態でした。いや、実際にはあるんですよ、足の踏み場。ベッドまでの2、3歩ぶんくらいは。
でも、その頃に比べ今は見違えるように片付いています。それは、「整理」と「整頓」を区別して考えるようになったのが大きいです。

「整理」と「整頓」は違う

それまでのぼくは整理と整頓をどちらも区別することなく、「あるべき場所にしまう」ことと捉えていました。
しかし、ある文章に出会い、「整理」と「整頓」の意味を理解し、それまでの認識がガラリと変わりました。

整理というのは、ちらばっているものを目ざわりにならないように、きれいかたづけることではない。それはむしろ整頓というべきであろう。ものがよく整理されているというのは、みた目はともかく、必要なものが必要なときにすぐにとりだせるようになっている、ということだと思う。
〜略〜
整理は機能の秩序の問題であり、整頓は形式の秩序の問題である。

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片付けて"整頓"するのか、"整理"するのか

部屋の片付けを例にとると、以前のぼくは「あるべき場所にしまう」ことを目的に片付けていました。「整頓」することを目標としていたんです。しかし、整頓を目標にしてしまうと、片付けてそれで目標が達成されてしまうんですよね。一度整頓すると、それからあとは汚れるのみ。また部屋の中が散らかり、整頓してはまた散らかり。。
整理の目標は、機能の秩序を保つこと、つまり最も生活のしやすい"片付いた状態を維持すること"です。目標が違います。キレイ好きの方にとっては当たり前のことなんでしょうが、ぼくにとっては、これはすごい発見をした気分でした。
そのためにはまず

  • しまいやすく、とりだしやすい

のは欠かせません。しまう、とりだすのに手間取るような仕組みでは、そのうち絶対しまわないようになります。
それに加えて

  • 片付けを習慣化させる

ことも大切です。しまいやすく、とりだしやすい状態を維持し、習慣的に片付ける。当たり前ですね。

簡単な例

しまいやすくとりだしやすい状態は、なにを整理するのかによってあらゆる形があると思います。また、いかに習慣化するかも悩ましいところです。そこでぼくの実践例を。

■しまいやすく、とりだしやすい

例えば洗い終わった洗濯物について。毎日タンスにしまわないと、たちまち部屋が洋服だらけになってしまいます。毎日タンスにしまわなければいけません。もし、タンスの中にたくさんの洋服がぎっちり入っていると、押し込んで入れる必要があるので、しまうのに若干手間取ったりします。ほんの若干ですが、毎日となるともうたまらなくめんどくさくなる。なのでぼくは、衣類をしまうタンスの引き出しの中は、容量にすごーく余裕をもたせています。そうすればタンスにそっと洋服を置いて、スーッと閉めるだけでおしまい。手間は結構省けます。

■アクショントリガー

習慣化には、「アクショントリガーを設定する」ことが有効でした。
アクショントリガーとは「変われない」を変えてくれる!?;【書評】スイッチ!(チップ・ハース&ダン・ハース)でとりあげた「スイッチ」という本の中で紹介されている方法です。

たとえば、あなたがずっとジムをサボっているとしよう。そこであなたは、「明日の朝、アンナを学校に送り届けたらまっすぐジムに向かおう」と決意する。このような心理的な計画を本書では「アクション・トリガー(行動の引き金)」と呼ぶことにする。

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すごく簡単なことなのですが、かなりの効果をもたらしてくれています。アクション・トリガーのコツは、とにかく"具体的"で"明確"に設定すること。
ぼくの場合は「お風呂に入る準備ができたら、洗い終わっている洗濯物をしまう」「お風呂から出たら明日のスケジュールとタスクを確認し、予定を立てる」と決めています。その一連の流れを自分の部屋にあるホワイトボードにでかでかと書き、実行し、習慣化してきたら消す。こうやって一つ一つを身に付けるのがオススメです。

そしてEvernote

ここまでで挙げた例はすごーく簡単で、もしかしたら誰もがやっていて、ごくごく当たり前のことなのかもしれません。ただ、その根底にある「整理」と「整頓」の考えは、広く応用の利くものだと思います。例えば、Evernoteなんかにも。
実際、ぼくのノートブックの分類とタグ付けはこの「整理と整頓」の考えに大きく影響を受けています。それについては次回!
では、お読みいただき、ありがとうございました。

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