通級教育とタブレット端末

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ぼくは今、支援学校に赴任しており、そこで主に数学の授業をしています。

生徒のなかには中学校時代から支援学校に在籍していた子もいれば、地元の中学校を卒業して支援学校に入学した子もいる、というような環境です。

そんな地元の中学から来た子の多くは、小学校時代や中学校時代に、通級学級、いわゆる支援学級にいた子が多いです。

そんな背景がありつつ、今日、こんなニュースがRSSに入ってきました。

深谷市教委/「ふっかちゃんi(愛)サポート事業」で通級指導室にiPadを配置 | ICT教育ニュース

iPadをその通級学級に配置してみよう、という試みのようです。

これ、個人的にはすんごくいいと思うんです。算数教育においても。

限定されてしまいがちな指導法

全員そうである、というわけでは全くないのですが、ぼくが教えている生徒の中には、計算はできるものの、それを利用することが苦手な子が何人かいます。

計算はほんとすこぶる早いし、基本どんな計算問題も解くことができる。のに、文章題になるととたんにどの演算を用いればいいか判断できなかったりするんです。

実際に小学校や中学校の通級学級のボランティアをしたことがあるのですが、どちらかというとドリル主体で算数を学んでいる子が多くいました。そういう経験から、計算は早いものの文章で出題されるとわからなくなったりするのかもしれません。

また、各教科の理解度のバランスが悪く、国語が苦手で算数(計算問題)はできる、という子もいます。文章がなかなか読めないので、自然とドリル主体になってしまう、ということもあるかもれません。

そんなところにこそ、タブレットが有効であると思うんです。

タブレットが、通級指導を変える?

計算問題を解くことができる、という力は確かに大事です。でもそれ以上に、その四則演算を普段の生活に使っていける力のほうがぼくは大事だと思っています。計算を利用できなくちゃいけない。

そんな時にタブレット端末がすごく有効になってくる、と思うんです。

通級学級に通う子たちはほんとに様々で、視覚が優位、つまり視覚的な情報のほうが理解しやすい子もいれば、文章を読むことが苦手でも、話し言葉はしっかりと理解できる子もいます。どんな風に情報を伝えればわかりやすいのかが、一人一人違います。

長い文章では理解しにくい子でも、箇条書きにし、一つ一つ抑えていけばすんなりと理解できる子もいます。

タブレット端末を利用すれば、アプリさえあれば、情報をいろんな提示の仕方で伝えることが可能になり、その子が理解しやすい方法から勉強を始めることができます。

また、”分ける”や”加える”などを、画面上のアニメーションを見たり、実際に操作しながら学ぶ教材も存在するので、体感する経験を積むこともできます。しかも、自分のペースで。

みんなとは理解のスピードが違っても、確実に力はついていきます。

全体授業でついていけない子も、個別に、自分のペースで、自分が理解しやすい形で学ぶことができたら。

それを可能にしてくれるのが、タブレットだと思うんです。

おわりに

ぼく自身経験も浅く、通級学級や支援学級での指導法を十分に理解しているとは言えません。が、もし自分にアプリを制作する力があれば、その浅い経験のなかでも一応は培ってきたものを、一つの形にできるのになぁと思ったりします。

通級学級における指導法の一つとして、タブレットの活用は本当に役立つと確信しています。

深谷市のような活動が、どんどん広がっていけばいいのにな、と説に願います。

では、お読みいただきありがとうございました。


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