ショートカットが好きな脳にどう対抗するか?

カメラロール-257

数学をどう教えていけば、「考える」ことを学んでいけるのだろうか、ということを常々考えています。そんなぼくにとって、「考える」ということをしている時の脳みその状態というのにはすごく興味があります。

脳はショートカットを好む

なので、こういうエントリを読むとすごく刺激されます。



「行き詰まったらまず記録する」という方法を思い出して下さい – ライフハック心理学
いつも興味深く読ませて頂いております!


この中で触れられているのが、「人は「悩む」ことと「他人のアドバイス」を信頼しすぎている」ということについて。特に「「悩む」と堂々巡りしやすい」という欠点について言及している部分に、こんな一文があります。
脳にはショートカットを好むという性質があるため、何度も考えたことの方を、めったに考えない発想よりも優先的に検討してしまいます。
だから、何度も同じことを考えては堂々巡りしてしまう。で、結局うわーっとなって考えるのをやめちゃう。そういう経験って、誰しもあるように思います。

いつもぼくもこれは感じており、だから何度も一から考えるみたいなことを書いたりしてますし、ショートカットを好む脳みそにどうにか対抗し、堂々巡りは防いでいかないとなぁと感じております。

ショートカットが好きな脳にどう対抗するか?

紹介した記事の中では、ショートカット好きな脳への対抗策として、「記憶を外部化する」ことが挙げられています。
頭で考え続けるだけだといつまでも同じ答えにしか行き着かないリスクが高くなるのです。メモすることまで含め「記憶を外部化する」ということは、脳の容量制限という欠点を補うための一手段です。
頭の中だけで考えるのではなく、それを書いたりすることで外部に記憶を記録する。と、頭の中だけで考える時に比べ、頭に留めておかなければいけないことが少なくなるので、脳の容量を減らすことができ、スペースが空くので新たなことまで検討することができるというわけです。脳のメモリを解放してやるってことですね。

この「記憶を外部化する」ことに加え、他にはショートカット好きな脳への対抗策はどんなものがあるのか考えてみました。
■何度も一から考える
これはまさに堂々巡りへの対抗策です。

例えば、解決までのプロセスが1〜5まであるような問題があったとします。1→2→3のつながりは解決できたし、4→5もわかった。でもどうしても3→4の結びつきが理解できない、というとき、3→4ばかりに注目してしまい、その一部分だけ考えようとしてしまいがちです。結果視点が狭くなり、そこで思考が堂々巡りしてしまう。理解しているけども、また一から考えることで、わからないと思ってた部分より前の考え違いに気づくことができるかもしれませんし、そこに至るまでにさらに条件を得ることができる場合もあります。いずれにせよ、ショートカットして、3→4のつながりばかり考えていたらずーっと気づくことができないことです。
■一日置く
考えることが昨日と寸分違わず一緒、なんてことは絶対ないので、一日置き、なおかつ一から考えてみることで、昨日自分が考えたこととはちょっと違うことを考えることになります。それがなにか解決への糸口を掴む可能性もありえます。また、記憶というのは寝てる間に整理されるため、一日置くことで脳の空き容量も増えます。昨日考えたことを記録しておけば、昨日の自分の考えを参考にしながら進むこともできるので、「記憶を外部化する」ことはここでも大事と言えます。
まとめ
「外部に記録する」+「何度も一から考える」+「一日置く」の合わせ技が、ショートカットを好む脳への、かなり強力な対抗策になるのではないか、と思います。実際に、ぼくが院生の時はこういったことをよくしていました。考え、自分の考えたことは基本的に紙に書き付けていき、わからなかったら一日置いてまた考える。そのときに、わからない部分だけ注目するのではなく、そこまで至った経緯ももう一度見返し、一からまた考えていく。それでもわからなかったら、また一日置き、、、というのを繰り返して、少しづつ進めていったことを思い出します。

おわりに

他の人の頭の中は見ることができません。でも、数学を学ぶ時って「どんな風に考えていくのか」というのは、ものすごく大事だと思います。他の人の頭の中がみえないのであれば、とことん自分の頭の中を観察して、”思考する”ことについて少しでも理解していければなと思います。自分の頭の中を覗くのってなかなか楽しいので、続けていけそうです。

では、お読みいただきありがとうございました。


カメラロール-256

Twitterボタン

Add to Google RSS