削ぎ落として、シンプルに〜「KP法」を読んで学んだこと〜

20140428 シンプルに、削ぎ落とす〜「KP法」を読んで学んだこと〜

FlickrIMG_2003 by choiyaki

授業がうまくなりたい。そんなことを毎日考えています。

教員という職業は、授業がすべてではないものの、やはり楽しく学べるような、それでいて力がみにつくような授業をしていきたい。

授業とプレゼンは似ている部分も多く、プレゼンについて書いている本にも興味ありありなわけで、本書を購入したのもそういう理由からです。

使えそうな奴があれば、とりあえず試してみたい。本書に書かれている「KP法」も、シンプルながら幅広く使える手法ではないか、と感じました。

「KP法」とは?

はてさて、「KP法」とはなんなのでしょうか?

実は、「紙芝居プレゼンテーション」の頭文字をとったもの。手法はいたってシンプルで、

  • A4の紙に、

  • 20文字程度の文字を書き、

  • 10枚から15枚で1セットとして、

  • それをボードに貼りながら話していく

というもの。1セットでだいたい5分ほどのプレゼンになるそうです。

実際のプレゼンの様子も、「「伝える」ということ」にて公開されています。

手書きの文字がいい雰囲気を出していて、話していることの要点が簡潔にまとめられているため、頭に入ってきやすく感じます。

言うだけでは伝わらない

何かを教える際、ただ言うだけでは、ほとんど伝わらない、と思っておくぐらいがちょうどいいのかもしれません。

教わる側が、「何が何でも身につけるんだ!!」という強い気持ちで話をきき、メモをとる、ということでない限りは、言っただけで伝わる、なんてことはほとんどありません。


「言ったら、伝わる」は伝える側の傲慢


伝えるためには、教わる側に伝わるように工夫することが必要になってきます。その一つの手段が、「KP法」なわけです。

教える際には、自分が聞き手側、教わる側になった気持ちで、教える内容を見返してみる、というのも大切です。教わる側だと、「聞いただけで覚えることができるか?」と聞かれれば、おそらく、「聞くだけではなかなか覚えらんない」と思うことでしょう。でも、立場が変われば、教わる側にいたときの気持ちを忘れて、「なぜ覚えてくれないんだ」と、教える側の視点に偏ってしまいがち。教える側に立つときも、教わる側の気持ち、受け取りかたを念頭に入れておく必要があります。

選別し削ぎ落とす

言うだけでは伝わらないので、KP法という手法を使って、より教わる人たちの頭に残るように工夫を加える。

では、他の方法ーパワーポイントやKeynoteーではなく、なぜKP法を使うのか、KP法のよさはどこなのか。

いくつかありますが、実際本書でもいくつもKP法の良さをあげていますが、一番は「情報を精選し、シンプルに伝えることができる」という点にあるように感じます。


KP法は余計な情報を省く天才です。

KP法では、A4の紙を10〜15枚、各紙には、多くても20文字程度しか書きません。たくさん盛り込もうと思っても、盛り込めないんですね。紙に書く情報は、精選していかなければいけない。不必要な説明はそぎ落とし、必要なものも短い言葉で、シンプルに表現しなければいけない。

情報を精選し、シンプルに表現し、伝える。プレゼンにおいて、すごく重要な部分を、KP法では知らず識らずの間に意識することができる、というわけです。

おわりに

どんなときにもKP法を使うことができるのか、というと、そうもいきません。A4の紙に言葉を書くので、大人数にアプローチするのは難しい。また、動きを加えることもできません。KP法は、万能な方法ではありません。

でも、そのシンプルさは、使い所を見定め、利用すると、とても威力を発揮してくれるように思います。

ぼくも、KP法で大切な、シンプルさは、スライドを作るときに常に意識し、ここぞというときにKP法を使っていきたいな、と思います。

では、お読みいただきありがとうございました。


FlickrIMG_2001 by choiyaki

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