Evernoteの多様性と可能性【書評】EVERNOTE「超」知的生産術(一読目)

EVERNOTE「超」知的生産術
EVERNOTE「超」知的生産術倉下忠憲

シーアンドアール研究所 2011-02-26
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この本の著者、倉下忠憲さんは、ぼくが毎日楽しく読ませていただいているブログ、「R-style」を主宰していらっしゃる@rashita2さんです。
ぼくは@rashita2さんのファンです。@rashita2さんのブログ「R-style」との出会いから各ブログを読むようになり、またこうして自分でブログを書くようになりました。
そんなかんじで@rashita2さんの本について書評を書くなんておこがましいったらありゃしないのですが、読んだ本は書評を書くと年始に決めたので、思い切って書きたいと思います。

知的生産の技術

本書で何度も取り上げられるのが、「知的生産の技術」という本です。

知的生産の技術 (岩波新書)知的生産の技術 (岩波新書)
梅棹 忠夫

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この「知的生産の技術」にならい、本書でも"知的生産"を

知的生産というのは、頭を働かせて、なにかあたらしいことがら—情報—を、ひとにわかるかたちで提出することなのだ

と定義しています。
ぼくも以前この「知的生産の技術」を読み、書評を書きました。
【書評】知的生産の技術(一読目)
その冒頭で、

インプットはアウトプットのためにある。
本書を読み、それを一番感じました。

と書きました。
そして、今回「EVERNOTE「超」知的生産術」を読み、その思いは確信に変わり、さらにはインプット、つまり情報収集もアウトプットと同様に重視すべきことであるな、と強く感じました。

情報収集

@rashita2さんは情報を「資料」と「着想」に分類しています。

「資料」は、「外部から提供されている情報。一般的に情報と呼ばれているもの」となります。
「着想」は、「自分の頭の中から出てきた思考や考え(アイデアの断片も含む)」となります。

そしてそれぞれについて、いかにして集め、Evernoteにためるのかが書かれていくのですが、特に「資料」の収集について書かれている部分を読み、今までの自分の情報収集のへなちょこさを思い知りました。

Evernoteを情報の倉庫に

その情報の集積場として、Evernoteが優れているんです。

資料にはアナログ情報もデジタル情報も存在していますが、Evernoteはそういった区別をする必要はありません。

デジタル情報はそのデータを放り込んでしまえばいい。紙などに書かれたアナログ情報は写真をパシャリと撮って放り込んでしまえばいい。それだけでEvernoteの強力な検索機能を享受することができます。

■インプットする情報源とインプット作業の仕組み化が大切

情報はウェブ上にあふれるほどたくさん存在します。そしてそれらをとても簡単に得ることができます。ただ、そこに落とし穴が。

一方で便利さからくる弊害も生じています。それは「時間」の浪費です。気になっている情報のリンクを辿っていたらいつのまにか時間が過ぎていた、という経験は誰しもあるはずです。

正直これが怖くて、情報源をあまりたくさん持たないようにしていました。
ただ、自分の情報源のしぼり方はあまりにお粗末であったといわざるを得ません。
もっぱら情報はRSSTwitterから。そしてRSS登録する基準というのも、「次もまた読みたいか」といういかにも曖昧なもの。
本書がその改善の光を示してくれました。「フィルタリング」という考え方です。
どの情報をどの程度まで深く集めていくのか。目的に応じたフィルタリングの方法をとることで、情報収集を加速することができそうです。
そしてもう一つ書かれているのが、インプット作業の仕組み化。これをすることにより、情報をスムーズに収集していくことができるので、より多くの情報を収集することができるようになる。
さらによいインプットをしていくためにも、自分のインプットの方法を一度まるまる見直す必要がありそうです。

おわりに

今回はインプットについての部分にのみ書きましたが、本書でいうところの50ページ分ほどについてしか触れていません。
それだけ本書から得ることは多いということなのだと思います。
そして本書を何度も読み返し、自分なりの知的生産の形というのを考えては試し、構築していく必要があります。
「知的生産の技術」同様、本書は知的生産におけるEvernoteの利用法の"提案"であると思うので。
では、お読みいただきありがとうございました。

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