トレーニングとしての、メモの作法〜「ゼロ秒思考」を読んで学んだこと〜


Flickr20140226064034 by choiyaki

仕事中やそれ以外でも、「メモする」ということを日常的にやっています。自分の記憶力をさほど、というか全然信用してないので、会議中や会話の中でも、仕事を進めるうえで必要なことや、参考になったことを、とりあえずメモするようにしています。

知識をたくわえたり、タスクを進行するためには、ぼくにとって「メモする」という行為は、なくてはならないものになってるわけです。

ここでの「メモする」は、記憶しきれないものを記録してとどめる、という役割を担ってもらっています。短い、ほんの数文字のメモでも、記憶を呼び覚ましてくれます。記憶を補完するメモの方法です。

これまでは、「メモ」には、”記憶を補完する”ための役割しか与えていませんでした。でも、メモはそれだけにとどまらない。思考力を鍛えるためにも有効です。本書を読み、試し、実感しました。

どんなメモの方法か?

普段、メモするときのスタイルは、どんなものでしょうか?

ぼくの場合は、小さなメモ帳を常に持ち歩き、なにかあればとりあえずそこにメモをしておく。また、それとは別にA5ノートを持っており、会議などではそこにメモをしていく、という方法をとっています。

メモる内容はいくつかあり、タスクをメモることもあれば、考えたことを書き付けるときもありますし、忘れてはいけないことを記すときもあります。いくつか内容はあるものの、役割はすべて、”記憶を補完する”ため。忘れちゃいけないこと、忘れたくないことをとらえておくための役割でした。

本書で紹介されているメモのスタイルは、これとはまったく違います。方法は、
A4用紙を横置きにし、

1件1ページで、

1ページに4〜6行、

各行20〜30文字、

1ページを1分以内、

1日10ページ書く。
特に特徴的なのは、1ページ1分というはやさで書く、というところ。このスピードで書いてみると、考えている暇がありません。とにかく手を動かし、とにかく書いていかないと。

また、毎日10ページ書く、というのもポイントです。たくさん吐き出す、書きつけていくことが、すっきり感を生み、思考力の強化にもつながっていきます。書く作業は、脳みそを使います。考えている暇がないほどのスピードで書いたとしても、脳みそは働いています。たくさんの量を書くということは、それだけ脳みそを使うということ。だから思考力の強化にもつながるわけです。

書くときは、、、

では、1日のどのタイミングでメモを書くのでしょうか。
大事なのは、メモは思いついたその場ですぐに書くことだ。夜寝る前にまとめて10ページではなく、原則、思いついたその瞬間だ。何かが気になったその時、忘れる前に書き留める。
うまくいってない感を感じたとき、ふと疑問が頭に湧いたとき、これってどうなのかと気になったとき。その瞬間にA4の紙をとりだして、1分間でメモを書く。「あれっ?」とか「うーん」とか思ったタイミングこそ、一番新鮮な気持ちで、その疑問なり違和感なりに向き合えます。
ポイントは、「考えずに」書くことだ。感じるまま、頭に浮かぶまま、瞬時に書き留めていく。構造やわかりやすさ、起承転結等いっさい気にする必要がない。そういった制約がないと、誰でも発想が何倍も豊かになる。
書くときのポイントは、考えないこと。1分間という、とても短い時間設定も、考えずに書くことを促すためにあると言えます。実際、1分間で書き切るのはなかなか至難の技。ほんとうに考えている暇はありません。

実際やってみると、考えずに、思いつくまま書いていくことで、自分でもあんまり考えつかないような、ゆっくり考えていては出てこないような発想がポロッと出てきたりします。これを1日に何度も行うことで、思考の蛇口をひねり、ドバーッと発想が出て来やすいようになるのかもしれません。

おわりに

ぼくも実際に、この本に書かれているメモの方法を取り入れています。今までとの変化を感じるのは、疑問に感じたことに対して、とりあえず1分間考えてみるようになった、というところ。

今までは、疑問は疑問のまま、メモしていました。「〜はなぜか?」というかたちで。でも、本書を読んでから、そこから1分間ほど考えてみるようになりました。

疑問に対し、1分間だけ考え、書き出す時間をとる。これをするかしないかで、大きく違ってきます。1分間でも考えることで、多少なりとも答えというか、ふわっとしてものが少し輪郭がはっきりするというか、考えがちょこっとまとまります。でも、疑問を疑問のままにしていたら、はっきりした形はまったく見えてきません。

1日10ページにはまだ到達していないので、自分をこのメモの方法に慣らし、今後も実践していこうと思います。

では、お読みいただきありがとうございました。



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