ノートを、成長のための母艦に〜「「結果を出す人」はノートに何を書いているのか」を読んで学んだこと〜


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前回のエントリ、「”とらえる”メモツール、”ひねりだす”メモツール〜メモに対して今いろいろと考えていることその10〜」で、ノートやメモ帳の使い方について書きました。ぼくの職業は、個人情報を扱います。そのため、「着想」「やること」「雑多な感情」 を”とらえる”ために使うメモツールを、仕事とプライベートで分けて使っている、という話をしました。仕事場では、メモパッドを常にポッケに入れておき、いつでもメモが取れるようにしています。それを母艦ノートに貼り付けていくことで、散逸することを防ぎます。また、母艦ノートを携帯している時には、ここに直接書いていきます。

メモパッド、母艦ノートに加え、実はもう一冊使っているものがあります。仕事とプライベートを行き来する、「スケジュールノート」です。

この3つの体制にしたのは、本書にならってのこと。すごくいい感じに機能してくれています。

”記録”で差が出る


経験が成果につながり報酬に変わる人と 、そうでない人がいます 。その差は 、一体どこで生まれるのでしょうか ?私は 、その差はノ ートの使い方で生まれると考えています 。正確には 、積極的に 「記録 」している人と 、していない人の差です。

結果を出したい、成果をあげたい、と強く思っているわけではありませんが、成長していきたいとは常々思っています。そのためにも、”記録”を残し、振り返り、次につなげていくことの重要性を感じ、積極的に”記録”と”振り返り”のサイクルをまわしていきたい。


成功も失敗もノ ートに記録することで 、成長の糧にするのです 。

記録しているか否か。それが、実は大きな差となって現れるかもしれない。  
ぼくは、記憶力がないことを自覚しています。記録しとかないと、すぐに忘れちゃう。記録ってだいじやなぁ、忘れたこと思い起こさせてくれるもんなぁと、記録をとても単純にとらえていました。でも、記録を積極的にとるようになって、それ以上のものを、「記録」というものは持っている、と常々感じます。

Evernoteには、2010年ごろから、簡単なメモからブログのエントリ、写真など、あらゆることを記録しています。特にメモは、読み返すとハッとさせられるものも多い。2010年の自分は、2015年の今の自分とはかなり違う存在です。その、自分が残した記録が、今の自分にとって役立つことも少なくない。記録があるからこそ、振り返ることができる。振り返ることで、もっと良く、さらに良くしていける。そう思います。

「アクションプラン」に落とし込む

ブログで、読んだ本について書く際、サブタイトルに『〜「◯◯」を読んで学んだこと〜』とつけるようにしています。これは、読書を自分の学びの一環にしよう、という考えから。読書をし、学び、自分にあてはめて活用する。活用したいから、『〜「◯◯」を読んで学んだこと〜』とつけてブログを書くようにしています。


ビジネスパ ーソンにとって読書とは 、読んだ本の情報を覚えることではなく 、自分の仕事に活用するためにあります 。

むちゃくちゃためになる本もあれば、ふむふむと感じる程度で終わる本もあります。でも、ふむふむと感じる程度で終わる本の中にも、必ず学びはある。それを捕らえて、自分に対して活用していきたい。

本書では、その方法として、一つの提案がなされています。


読書ノ ートに読んだ内容を清書したり 、要旨をまとめることを優先させると 、学びを実行できずに終わってしまいます 。それでは本末転倒です 。そうならないためにも 、学びをキ ーワ ードに落とし 、アクションプランにしてみてください 。

本を読み、実行できそうな内容を、ノートに書いておく。簡単なキーワードで、「実行すること」を書きつけておく。そして、すぐに実践してみる。

試してみてどうであったか、またノートに書き、振り返れば、自分の環境にあったように改善していくこともできるでしょう。まず、本の内容を実行してみる。このスタンスをとっておくことで、確かに、読んだ本の内容を、自分の仕事へと活用できそうです。

「スケジュールノート」を使い始めた、というのも、本書から学んでアクションを起こした一つの例。加えて、この、「アクションプラン」を参考に、本書からの学びで実行してみたことを紹介します。

「予想」と「結果」を、ペンで色分け

ノートは、記録のためだけにあるわけではありません。何かを考え、おぼろげな思考を書き出し、まとめていく場でもあります。


メモノ ートで断片メモを拾い 、母艦ノ ートで育て 、 P Cで文書にまとめてアウトプットする 「流れ 」を常に念頭に入れておくことが大切です 。

授業をすることが、ぼくの大切な仕事の一つです。毎回の授業を、どう展開していくのか。いつも頭を悩ませています。

授業に関する着想は、授業について考えているときにしか降ってこない、とは限りません。いつ、「こんな風にしたらどうか?」「今の話、授業で使えるかも」となるかわからない。それをとらえるために、メモしておく。記憶はあてにならないので、すぐ、メモする。そして、メモたちを膨らませ、取り入れながら、授業の展開を考えていくわけです。

授業の内容を考えていく際、こちらからの問いかけに対して、どう生徒たちが反応するのかをイメージします。反応を予想しながら、組み立てていきます。また、どれくらいの時間がかかりそうか、ということも、授業の内容を考える際に、同時に予想します。黒板を書くのにどれくらいかかるか、プリントを一枚終えるのに、何分かかるか。

授業の内容を考えていくときには、たくさんの予想をノートに書きつけていきます。

授業が終われば、授業の準備の際にたてた予想がどの程度あっていたのか、振り返ります。よかったこと、うまくいったこと、反対にまずかったこと、改善が必要なことも、ノートに書き付けていきます。

その際、ペンで色分けをしておくことで、自分の「予想」と、実際の授業での「結果」を区別することができます。


ペンで色分けするというのは 、あとからノ ートを見返すときに 、それが 「予想 」として書いたものなのか 、 「結果 」として書いたものなのかを判別するためです 。

実は、本書を読むまで、色分けなどせずに、授業ノートを書いていました。でもそれでは、どれが、あらかじめ予想したことなのか、どれが、実際に授業をすることでわかったことなのか、判別できません。

「予想」と「結果」を色分けすることで、自分の予想がどれくらい的を射ていたのかを踏まえ、次の授業の計画へと反映させることができます。それを繰り返し行うことで、より正確な授業展開を”読む”ことができるようになるのでしょう。

「「予想」と「結果」を、ペンで色分けする」

本書を読み、アクションプランに落とし込み、実践してみました。今後もこうして学びを仕事、自分の環境へと適応させていきたいものです。

おわりに

ノートの使い方って、考え出すとなかなかに難しいものです。が、それ以上に、あれこれ考えることが楽しい。

本書は、iPhoneKindleアプリで、隙間時間にちまちまと読んでいきました。読みながら、自分の環境に使えそうなことを実践し、自分のノート環境を、さらに快適にすることができたように思います。

ノート術の類は、そっくりそのまま真似しても、長続きすることは少ない。本に書かれていることを、自分の環境や性格に適応させていくことで、より自分好みのノートに仕上がっていく。その過程を楽しみながら、自分の成長へと、ノートを生かしていきたいものです。

では、お読みいただきありがとうございました。