数学が好きなのか、数学を教えるのが好きなのか


今まで何度も「ぼくは数学が好きです」と書いてきた。紛れもなく大好きだ。でも、どこが好き?と聞かれるとパッと答えが出てこない。
他の数学好きな方はどうなのだろうと思い、調べてみたら、こんな質問と回答を見つけた。
「数学が好き」という人は、どうして好きなのですか - 教えて!goo
そこにもある、数学が好きな理由の一つとして挙げられる「答えが一つに決まるから」について、ちょっと思うことがあったので書いてみる。

答えが一つに決まる数学、決まらない数学

数学を好きな理由の一つとして、「数学は答えが一つに決まるから」というのはうなづける。
一つに決まる快感を何度も経験しているからだ。

■数学を教えること

ぼくは数学と並ぶかそれ以上に、「数学を教えること」が好きだ。
どのような教材を使って、どこの分野と結びつけながら、どのような言葉を用いて、どんな発問をすればよいのか。そして授業をどう展開すれば、みんなが興味を持って数学を楽しめるのか。
そんなことを考え、実行してみるのが好きだ。それで生徒から「おもしろかった」的な言葉が聞けたりすると、それはもう法外の喜びだ。

■ある一つの矛盾

教えることは難しい。いくら考え、練りに練っても成功するかはわからない。それで打ちひしがれることもある。
どのように教えれば一番いいのかは、コレといったものは存在しない。常に上手くなることを追い求めていかなければいけない。
それは、「数学を教えることに正解はない」から。
ん?数学は答えが一つに決まるから好きとも言えるのに、正解の存在しない「数学を教えること」も好き。
なんだか矛盾してるように感じる。

■「数学」という道

数学はおもしろい。それは胸を張って言える。
が、もしかしたらぼくは、純粋に数学が好き、というわけではないのかもしれない。高校数学までは、自分で考えて解けるから好きなんだと思うし、大学数学はただただ「すごい!」と感じるばかりで、数学を開拓していこうと思ったことはないし、していけるともおもわない。
それよりも、正解のない数学の正解を追い求めて、どうすればもっと上手く教えることができるのか、おもしろさを伝えることができるのかを日々考え実践していくことの方が好きなんだろう。
良い数学者になるよりも、良い数学教育者になりたい。数学の真理を追求するよりも、数学をおもしろく伝えるにはどうすればいいのかを追い求めたい。それが、今のぼくのエネルギーの源となっているんだなと、そう思った。

おわりに

「数学が好きなのか、数学を教えるのが好きなのか」と聞かれたら、間違いなく「数学を教えるのが好き」と答えるだろう。そんな方は世の中にはたくさんいるはずだ。
「数学のおもしろさを伝えたい」。ぼくを含め、そんな志をもつ人たちが協力して数学教育を盛り上げていくことによって、数学嫌いの多い世の中に何か変化を起こせるのではないか、と妄想したりする。それもまた楽しい。
では、お読みいただきありがとうございました。

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