意見を持つこと、交わすこと〜『「自分で考える力」の授業』を読んで学んだこと〜


Flickr20140318053742 by choiyaki

自分なりに考え、意見をもつことができているのか。

ふとこんな自問をしてみたときに、自信をもって「はい」は言えない自分がいます。正解のはっきりしているものなんてほとんどない中で、「自分なりの考え」をはっきり持つことができている人と、持っていない人の差はとてつもなく大きい。そんな風に感じます。

「自分なりの考え」とは、短絡的な答え、ステレオタイプな印象、誰かが言っていた意見、ただなんとなくそう思ったといったという類のものではなく、自分の中ではっきりとした”根拠”をもった上での「自分の意見」のことをさします。その「自分なりの考え」をもつためには、「考え抜く」というプロセスが必要不可欠になってくるでしょう。

本書では、そんな「考え抜く」ための”スキル”を身につけるいくつかの方法を学ぶことができます。



意見をもつために、理解する

<あること>に対し、考え抜き、自分の意見をもつ。そのためには、まずは<あること>について理解しておくことが必要不可欠です。

Step1.<あること>について自分はどれだけ理解しているのか、確認する

Step2.<あること>について理解できていないことは何か把握し、「理解できていないこと」を解決するために、調べる

Step3.自分の意見を持つ
自分自身よくわかっていない事柄に対して、自分の意見をもつ、なんてことはできません。意見をもつためには、自分なりの根拠をはっきりとさせておかなければいけません。わからないまま、根拠のはっきりしないまま意見を持っているとすれば、それはただの印象であったり、誰かの意見の受け売りであったりします。まずは、<あること>に対して、十分に理解しなければ。

まず、理解できていないことを把握し、調べ、理解を深める。それができてからの、「自分の意見」です。

いくつかの視点を持つ

理解できていないところを調べ、<あること>に対して考える準備ができたら、実際に考え、自分の意見をもつわけですが、その際、大切なのが、「いくつかの視点から考える」こと。
視点が多いほうが、物事の全貌をよりよく理解できるからです。
複雑な形の立体があるとします。その形を把握するためには、正面から見ているだけでは不十分。上からみたり、下から覗き込んだり、いろんな視点から立体を見ると、はっきりと形がわかってくる。物事について考える時も一緒で、いくつかの視点から考えると、より物事の全貌を把握することができます。

”自分の考え”に固執せずに、いろんな視点から考える。そのためには、1つの視点に縛られがちであることを認識しておくことが大切です。

無意識のうちに「1つの視点」で物事を考えがちです。そして、この「1つの視点」はあまり柔軟に移動しないという困った修正があります。だからこそ、意識的に別の視点・立場を持ち出す必要があるのです。
自分の考えに、あえて反論してみたり、逆の立場から考えてみたり。自分以外の誰かを思い浮かべ、その人ならどう考えるか?という視点でみてみたり。そうやって、柔軟に移動しない「1つの視点」をグリグリと突っつき、視点を動かしていく。

視点は柔軟に移動しないからこそ、意識的に動かそうとしてみないといけません。

意見を交わす

複数の視点から物事を見た方が、全貌を把握することができる。より深く考えることができる。であれば、自分一人で考えるよりも、他の人の意見を聞いた方が、自分以外の視点からみた考えを得ることができ、視点が増えます。他の人意見を交わすのは、考えを深めるための方法として、とても有効であります。

でも、意見を交わすということは、反論されるかもしれない、否定されるかもしれない。それを恐れて、自分の意見を言うことができない。そんな人も多いのではないでしょうか。ぼくもそうです。それは、反論や否定の”捉え方”がすこしずれているのだと思います。「複数の視点を得る」ために意見をかわしたのであれば、反論や否定というのは、まぎれもない自分以外の視点から物事をみている意見なわけです。たとえ反論であっても、歓迎すべき意見。そう捉えておくことが、意見を交わす際の心構えとなります。
質問や反論をしながら意見を戦わせると自分の意見は高まる
意見を交わせば、自分と違う視点が加わり、考えが深まる。反論や否定的な意見も、自分とは違う視点から捉えている、貴重な意見。

おわりに

まずは自分の意見を持ち、それを伝えて他の人の意見と交わらせる。それによってまたさらに意見はブラッシュアップされていく。そうやって、「正解のない問題」に対して、自分なりの意見を持つことができるようにして行きたいものです。計算問題のように、答えが一つに、明確に決まる問題なんて、日常にはほとんどありません。だからこそ、考え、自分の意見を持つことは、すごく大切です。深く考えるトレーニングを、つんでいきたいものです。

では、お読みいただきありがとうございました。


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