街の思考・森の思考〜「ブレイクスルー ひらめきはロジックから生まれる」を読んで学んだこと〜

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”ひらめき”という言葉に対して、どんなイメージを持っているでしょうか?

思いついたら気持ち良くて、時には現状を打開してくれることもあるけど、なかなかとっつきにくく、いつ訪れてくれるのかさえわからない、つかみどころのない存在。

ぼくが持つイメージはそんなところです。イメージにもなっていないような表現ですが。

そんな”ひらめき”に対して、こんな説明があります。

ひらめきは天から降ってきたような気がするが、実際はあなたの頭の中で、これまでの知識・情報のつながりをたどって生まれてきたもの。
ということは、知識・情報のつながりをたどる術を身につけることができれば、自分からひらめきを生むことができるのではないか。

そんな視点で、本書ではつかみどころのない存在である”ひらめき”が生まれるまでのプロセスを解説し、生み出す術を与えてくれます。



”街”と”森”

本書のタイトルには「ロジックから生まれる」という言葉があります。ロジック、論理ということですが、”ひらめき”というのはどちらかというとロジックのように意識的に生み出すものではなく、無意識にパッと思いつくもの、感性から出てくるものって感じがします。

そこで本書では、論理的で左脳的な「街の思考」と、直感的で右脳的な「森の思考」という言葉で両者を表現しています。
街で課題を可能な限り論理的に整理して、把握できる現状をしっかり分析した後に、森に出かけて行って、無意識の中で論理を超えた発想を繰り返して、解決の突破口となるアイデアを見つける。その後それをもう一度街に持ち帰って、それが本当に課題を解決できるか検証し、論理的に説明できるようにする。
大切なのは街か森かの”どちらか”ではなく、”どちらも”行き来しながら考えを煮詰めていくことにあります。それがブレイクスルーを生むことにつながる、というわけです。
ブレイクスルーとは、創造的な思考で、壁を突破し、結果、課題が解決されること
その方法として本書では8つの思考ロジックが紹介されていくわけですが、この前提「街の思考と森の思考を行き来する」ってことを抑えておくだけでも、何かしら今までとは少し違った考え方ができるのではないか、と思います。

いずれかが欠けても

イデアが、なんだかワクワクしないなと思ったら、それが一見正しくても、決済を取りやすそうでも、勇気を持って別の突破口を探しに行きましょう。
街の思考で練ったものに森の思考がワクワクしなかったら、つまり論理的に組み上げた考えであっても感性がそれに興味を惹きつけられなかったら、もう一度考えてみる。

反対に森の思考でおもしろいものを思いついても、それを街に持ち帰ったら実現性の乏しい、使えないものだったらまた森に探しにいく。「これでいけそうだ!」と思ったなら、最後の仕上げとして言語化する。
・森に行く冒険心

・引き返す自制心

言語化する執着心

ブレイクスルーを手にするためには、この3つのスピリットを携えていることが大切なのです。
言語化する手続きを経ることで、森での発見が説得力を伴ったアイデアとして人に伝えることができるようになります。

言語化する手続きを経る

本書でも登場する、有名な発想法として「KJ法」というものがあります。

かの有名なあの方法〜「発想法」を読んで学んだこと〜



KJ法にはさらに、「KJ法A型」と「KJ法AB型」というものがあり、A型の方は思いついたことをグループ分けし、それを一つの図に落とし込むまで、AB型の方はそこからさらに文章化するまでのことを言います。

KJ法の原典、「発想法」の中でも、A型でとどめるよりも、文章化まで行うAB型のほうが理解が進歩する、と述べられています。

理解が進歩した方がそのアイデアの説得力は増しますし、課題解決への筋道もより整理されます。

イデアを練りあげるためには、言語化する執着心がなかなかのキーポイントとなってきそうです。

おわりに

このエントリでは、ほんのさわりの部分しか紹介することができませんでしたが、本書で書かれている「8つの思考ロジック」を実際に試してみると、本当にブレイクスルーできる、かもしれません。やってみなわかりませんが。

ただ、いいアイデアを思いつくことができ、一つの課題を解決に導けたとしても、有頂天になり、調子に乗っちゃうのはよろしくないようです。
どんなに優秀な人でも、過去の成功体験は、「思考の足かせ」にもなる
成功体験のひとつ一つが、その後思考の足かせになっちゃうんです。それを肝に命じた、成功後の振る舞いというのがとても大事になってきそうです。

では、お読みいただきありがとうございました。


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