自分独自の方法論を〜『「知」のソフトウェア』を読んで学んだこと〜
IMG_3282 by choiyaki
情報をどのようにインプットして、いかにしてアウトプットしていくのか。
その問いに対する最適解というのは存在しません。試行錯誤の中で、それぞれに確立していく必要があるものです。
では、自分以外の人の方法が役に立たないのか、というと、そんなこともありません。方法を見て、真似て、自分なりに考えて、自分にあった方法を探すための、一つの参考例にすることができます。
本書は、ぼくに対して、とてもたくさんの示唆を与えてくれました。
インプットはアウトプットのためにある
インプットは、アウトプットのために行うもの。
でも、この言葉の意味するところは、アウトプットを見据えたインプットを行うべき、ということにはありません。
インプットしたものは、無意識のうちにもアウトプットに影響を及ぼす。なので、大量の良質なインプットを行うことが一番大切である、という考えからくるものです。
一見無目的に見えるインプットでも、確実に無意識下に蓄積されていく。それがアウトプットへと影響を及ぼしていく。無意味なインプットなど、存在しない。そういう考えであるからこそ、読書メモはとらないほうがいい。時間をかけてメモをとるよりも、他の情報を摂取し、インプットを行ったほうがいい。
絶えざるインプットによって蓄積され形成された豊かな個性的知的世界こそが、よきアウトプットの土壌である。
大量の良質なインプット。心がけていきたいものです。
良質なインプットの作法
本書が世に出た頃よりも、ネットの普及によって、情報は格段に増えています。良質な情報が増えたのであればいいのかもしれませんが、ネット上の情報は、今までの、本や新聞やラジオ・テレビが伝えてきた情報に比べ、不確かなものを多く含んでいます。そのぶん、取捨選択が難しくなっている、と言えます。
正確な情報を得るためには、情報に対し、「確かなものか?」を問うていく姿勢が大切です。
実際に現場を体験した人が語る情報ー一次情報ーと、一次情報を聞いた人が別の人に伝える情報ー二次情報ーを比べると、もちろん一次情報の方が確かなものであるでしょう。
情報は、次元があがるに連れ、その正確さは失われていきます。自分が受け取った情報が、いったい何次情報なのか、気をつけてみていく必要があるでしょう。
また、その情報を受け取る自分自身をも、客観的にとらえる姿勢が求められます。
人は自分が信じたいことはたやすく信じてしまうものである。
客観的に捉えなければ、自分自身に容易くだまされてしまうことがあります。「自分がほしい情報を探しただけではないのか?」を、自分に対して問う姿勢、自分が望んでいた、ほしいと思っていた、当たり前に成り立つと信じていた情報を得たときこそ、ウラを取るようにする。客観的に見るよう、心がける。
情報に触れるときの姿勢が、今後ますます問われてくるでしょう。
おわりに
インプットやアウトプットというのは、簡単に、自分の方法をみつけられるものではありません。
スポーツで言うと、同じフォームで投げる人はいませんし、同じスイングをする人もいない。でも、それぞれ、自分に合った投げ方、スイングをしています。もともとは誰かのフォームのマネをしていたとしても、まったく同じになることはあり得ません。自分に合ったものに、馴染んでくるもの。
インプットとアウトプット、知的生産にも、同じことが言えます。はじめはマネをしたとしても、まったく同じようにすることが、自分に合っている、自分の最適解とは限りません。マネをし、参考にしながら、自分独自をつくっていく。あれこれ考えるのが、何と楽しいことか。
では、お読みいただきありがとうございました。
コチラもよろしくお願いします!
→あれやこれやの数学講義
- 情報のインプット&アウトプット
- 著者の方法が記されてる
- p8 最適な一般論というのは存在しない
- 著者の方法を見て、真似て、自分なりに考えて、自分にあった方法を探すための、一つの参考例
- 著者の方法が記されてる
- インプットはアウトプットのため
- 大前提
- 本の読み方
- アウトプットを見据えたインプット
- ほしい情報の摂取目的
- インプットが目的
- 自分の中の土壌作り
- p23 豊かな個性的知的世界
- アウトプットを見据えたインプット
- アウトプット:文章の作成
- インプット:情報の摂取
- 本・新聞・聞き取り
- 情報に対して問い、自分自身に問う
- 正確な情報を得るために
- 「確かな情報か?」
- 一次情報、二次情報、、、
- 「自分がほしい情報を探しただけではないのか?」
- p225 自分が信じたいことはたやすく信じてしまうもの
- 機会的にウラ取りを
- 情報に対して問い、自分自身に問う
- 本・新聞・聞き取り
- おわりに
- 懐疑の精神、大事
- すべてを疑う、ってわけでなく
- 情報多いからこそ、その正確さには注意を払うべき
- 懐疑の精神、大事